第18回 青木孝人さん 株式会社NEXT DELIVERY 運航統括責任者

災害現場への出動要請に「そのためにやってきた」と即決 孤立集落に医薬品を配送

困っている人をドローンで救いたい

――ご自身の紹介を

NEXT DELIVERY青木様プロフィール・アイキャッチ画像

青木孝人(あおき・たかひと)です。ドローンを既存の物流と融合させた物流事業を展開する株式会社NEXT DELIVERY(山梨県小菅村)でドローンの運航統括責任者を務めていて、取締役でもあります。個人として2018年以降、ドローンを生活や社会に役立てる「ブループロジェクト」活動に取り組んでいまして、活動の基点はこちらです。

――災害現場での活動が注目されています

18_1 能登町ドローン離陸前イメージ

ドローンでの多くの経験が災害現場で役立ちました。たとえば私は測量のために災害現場でドローンを飛ばしています。速やかな対応が求められる現場なので、じっくり時間をかけて考えることはできません。瞬時に判断、行動し、迅速にデータ収集をすることを経験しました。また映画やCMの撮影もしていますが、主流であるDJIの機体ではなく、国産機も含めて飛ばしていて、今はほとんどの機体を扱えます。撮影では多くの場合、撮影そのものだけではなく作品として納品するまで引き受けることになるので、ドローンを飛ばしたあとの納品形態まで目配りする経験もしていますし、納める作品についても、プロモーション動画であれば、企画から編集までを手掛けます。いろいろなソフトウェアも扱います。三重県の調整池の調査では赤外線でオルソ画像を作りました。ドローン業務で必要なソフトウエア(QGISやSfMソフト、CAD、写真・動画編集ソフトなど)は扱えます。このようにドローンを基点にいろいろなフェーズを手がけてその経験も蓄積してきました。これらの経験が能登半島地震の災害現場でも役立ったと実感しています。

――NEXT DELIVERYでは物流に携わっています

はい。これもそれまでの経験をいかして取り組んでいますし、経験の幅を広げてもいます。ドローンによる物流は未開拓分野です。ルートの作り方や作り込みなど自分で開発、開拓してノウハウを積み上げてきました。測量の経験があり、地図を見る経験があり、国外メーカーの機体から国産メーカーの機体まで多くの機体に触れてきた経験があって、それをもとにルートを引くことができます。機体ごとの特性をふまえて、たとえば、この地形はこの高度で飛ぶ、といった提案もし、ルートをつくっています。

――豊富な現場経験があるので、指導依頼や作業依頼などで頼られそうです

おかげさまでたくさんご依頼をいただきます。話題性の高い「レベル3.5」と言われる飛行では、私がそれに取り組んでいることをご存知の方から連絡を頂くことが増えました。中には、ルートはどう作るのか教えてほしい、どう飛ばすのか教えてほしいというオファーも頂きますが、お断りをさせていただくこともある状況です。ご依頼を頂ける今があるのは、未開拓のドローン物流の分野を突き進んできたからこそだと思っています。

――お仕事はオファーの願いを叶えることととらえていますか

厳密に言えばもっと広く考えています。オファーの有無を問わず、困っている人がいればドローンというツールで解決してご満足頂きたいという思いが私の中にあります。まず、ドローンを使えばほかの方法で解決できない困りごとを解決できることがあります。能登の災害の際にもそのようなことがありました。困っている人がいないかを探して、それを見つけて解決したいのです。

足場のない新幹線の橋梁をみてドローン点検を提案、実施

――困りごと解決を基本にしている理由は

私はドローンで独立する前に航空機関係の、重工大手とも取引があり、設計から製造まで手掛ける会社で営業として働いていました。営業をしていると、人がやりたくないこと、一番めんどうなことを引き受けた場合に、対価を払ってくれるという経験をします。そんな経験から、やりたくないことやめんどうなことを突き詰めることができて、それを引き受けて、遂行して、信頼される人こそが価値の高い仕事をいただけると思っています。そんなオファーを頂けるようなコミュニケーションを取ることを心掛けてきました。

――困りごとを見つけるコミュニケーションが第一歩なのですね

はい。たとえば新幹線の橋梁点検にドローンを活用したことがあります。私の地元の愛知県清須市には庄内川が流れていて、新幹線の橋梁がかかっています。自宅からその橋梁が見えますが、古いためか、点検作業のためのはしごなどの設備は整っていません。点検のために足場を組んでいるのを見て、JR東海(東海旅客鉄道株式会社、名古屋市<愛知県>)にドローン仮点検の打診をしました。担当部署と連絡をとり、ドローンを使えば足場を組まずに見たい場所が見れると説明したところ、主桁などの上部構造と橋台などの下部構造の間の支えとなる沓(しゅう)の部分を足場を組まずに見たいということがわかりましたので、ドローンでその撮影をしました。5年前のことですが、JR東海にとって初めてのドローンによる新幹線の橋梁点検で、それを私が担当したことになりました。

――ドローンが役立つことはその当時から分かっていたのですか

はい。仕様書にヒントがあるんです。橋梁の点検は従来、人が目で見て手で触って行っていました。目と手がいきなりドローンにはなりません。人の目と手はすごい。ドローンで目や手と同等、または同等以上のアウトプットを出すのは難しい。ここをわかっておく必要があります。では何をするか。検査では足場を組んで仕様書にそった本格的な検査をする前に簡易的な検査をします。その簡易検査をドローンでやりましょうと切り替えるのです。仕様書に沿ったアウトプットをしようとしても、無理なものは無理。そこをわかったうえでできることを提案しないといけません。公共事業の入札ではドローンを使うと入札ランクの経審(経営事項審査)の点数(評定値)が上積みされます。それも含めてドローンを使う意味を分かっておくことで提案が意味のあるものになります。

――オファー側のドローンへの理解が深くない場合にトラブルになりやすいと聞きます

トラブルになればそこからは二度とオファーは来ません。それは絶対に避けないといけない。私はオファー元とコミュニケーションをとるときに、要求事項が現実的なのかそうではないのかを含め、リアルを伝えるようにしています。リアルでない夢を求めてこられることもあったからです。それこそ5、6年前の展示会は夢を見せる空間でした。実現できていないことも、これができます、あれができます、とある意味でリアルではなく夢を見せる側面がありました。その展示を見ると、来場者は現実にそれができるものだと思ってしまっても仕方がありません。私はそこに違和感を持っていましたが、結果としてできないこともできると思ってしまっている方はいらっしゃいます。コミュニケーションの中で現実とのズレが修正できるように話を進めるようにしています。

能登半島地震の出動を即決 「そのために仕事をしてきた」

――能登半島地震の支援活動でも青木さんの名前が多く聞かれました

地震が発生した1月1日にまず思ったことは、測量としての出動要請はすぐには来ないだろうということでした。大規模災害では、発災直後の救命の局面から復旧の局面に入った段階で、被災エリアの盛り土のため、崩れた規模を正確に把握します。その作業に必要な予算を見積もるために測量をします。ライフラインを設計し、その見直しなどをしてから測量に入るので、一定程度の時間がかかるとおもっていました。

――実際、測量での出動要請ではなかった

18_2 能登半島現地入りイメージ

測量ではなく物流で出動要請がありました。1月6日でした。輪島市<石川県>から要請を受けたJUIDAからNEXT DELIVERYの田路圭輔 代表取締役CEOに物資を運ぶために出動できないか打診がありまして、その流れで田路から私に連絡が入りました。私はその場で「行きます」と返事をしました。もともと困っている人を助けたいという思いで仕事をしているのでNOという選択肢はなかったです。そのために仕事をしてきたのですから「すぐに準備します」と答え、小菅村(山梨県)にいる社員に機体2機を準備させました。災害現場に多くの人数で行くと邪魔になることがあります。私がすべてをやろうと決め、アシスタント1名と私だけで、1月7日に現地入りしました。

――現地入りするまでに一苦労だったのでは

行ってみると道路が通行止めになっていて戻って別の道をたどることがありました。余震があるので、今崩れたんだろうなという場所もありました。機体をのせて慎重に運転をしていたこともあり、現地に入るまで12時間以上かかったと思います。どれくらい滞在することになるかはわかりませんでしたがいつまでと決めずに、自分の中で納得できるまでずっといるつもりで行きました。

現場に具体的な指示や要求はない 自分で困りごとを探して実行

――災害現場での作業をどう予想していましたか

18_3 輪島市ドローン着陸荷物切り離し

これまでの経験から、どこからどこまで飛ばしてほしい、という具体的な指示や要請はないと思っていました。現場についた瞬間にそれを実感したのですがDMAT(ディーマット、災害派遣医療チーム/Disaster Medical Assistance Team)の方にどこに届ければいいか相談しても、このときは具体的な答えは得られませんでした。それで「やっぱりこういうことか」と、自ら自衛隊員に状況を聞きにいったり、足を使い・ヘリで現場を見に行ったりしました。もしも自分で孤立集落を探しにいかなかったら飛ばさない可能性もあったと思います。現場ってそんなに甘いものではない。それは自分でも予見していました。だから私が行きました。

――具体的な要求がない中、仕事を自分で探すことにした。情報収集はどのように

輪島市役所でDMATと自衛隊の方々が地図を広げて対応を練っているところがあったので、そこに行って、孤立している所はないですか、と直接聞きに行きました。ここでは地元で情報を集約している人が誰かを知っておく必要もありました。

大きかったJUIDA嶋本参与の功績

――それで飛ばすべき場所を探し出したのですか

実は災害現場では、作業を統括して全体の整合性をとるオーガナイズする人、ドローンを取りまとめる人、交渉する人が絶対必要です。これについて今回は、嶋本さん(=嶋本学JUIDA参与)がいらしたからこそできたという側面があると強く思っています。孤立している場所として、西保コミュニティセンター(輪島市大沢町ホサソ)にお困りの方がいらっしゃるらしいことがわかったのですが、ドローンを飛ばせる場所かどうかを、上空から確認したい。自衛隊の所に行って、ヘリコプターに乗っていって現地の状況を調べることをしたのですが、これも嶋本さん経由でオファーをしました。孤立集落に飛ばすにも、自衛隊やいろんなところの協力が必要になるんです。飛ばすルートも作らないといけない。航空局との交渉もしないといけない。しかもことは急を要します。誰にどうコンタクトを取ればいいのか。ここを、嶋本さんがいらしたことで助かりました。災害時にはそういうまとめ役(リエゾン)が必要でした。その意味で嶋本さんには大変、感謝しています。

――孤立集落側での荷物の受け取り確認はどうされましたか

私と同行したアシスタントに現場に行けるところは行かせました。嶋本さん経由で情報を入手して、孤立している所に行ってお薬担当の方を見つけてコンタクトを取りました。

――ドローンで運んだのは

18_4 輪島市医薬品配送イメージ

医薬品です。処方薬を40人分届けました。医薬品を飛ばしていいのかの議論もしました。当初、サニタリー品はダメと言われていたのですが航空局と交渉を重ねるうえで水、食料もOKになりました。

――受け取った方は喜ばれたでしょう。運んだことの意義を感じた瞬間はありましたか

18_5 輪島市薬受取りイメージ

私は現地の方と直接のやり取りはなかったのですが、現場に入ったアシスタントはLINEで本当に助かりましたと感謝の言葉を受けていました。

「薬がない!」「すぐ届けます!」緊迫の現場

――この一連の作業で最も印象的だったことは

一番衝撃だったのは、西保コミュニティーセンターにヘリコプターで情報収集にいったときのことです。途中、崩れているところがあるので、まちの中心部からいくには、自衛隊の方でも歩いて片道で2~3時間くらいかかるんです。ヘリコプターで情報収集に行った時にお薬が届けられているかたずねたら、お薬担当の方から震災発生直後から届いてないと教えられました。薬もなくなってきている人がいて、もう死ぬ。本当にどうにかしてくれ、誰も持ってきてくれない。そう言われました。衝撃でした。その時に「明日届けます!戻ったらすぐに届けます!」って誓いました。次の日、ドローンで届けました。現地では半信半疑だったと思います。届けて感謝頂いたときには、届けてよかったと実感しました。

――届けるものの調達は

DMATの方たちとやり取りしながら、最終的には自分たちで調剤薬局に取りに行きました。薬局には届けられていない薬が山のようにあるんです。それを見るとまだ届けられていないっていうのがわかるんですよね。それを目の当たりにしているので。もっと孤立している所がある。もっと不便にしている人がいる。そう思いました。

サービス受ける側との連携できてこそドローン前提社会

――ドローンがもっと広く使われるためにすべきこととして考えることはありますか

18_6 小菅村_新スマート物流SkyHubイメージ

ドローンを飛ばす側ではなくて、一般のドローンのサービスを受ける側の認識がまだまだ低いことが気がかりです。ドローンがどうやって飛んで来て、どういう風に荷物を取りだすのか。この説明をしないとわからない。一般の方々とも連携できる世界が浸透してくると、ドローン前提社会になるんじゃないかなと思っています。まだそこが全然足りていないので、その時点でドローンの普及を論じるのはドローン業者のエゴでしかないと感じます。

――使い手ではく一般層の理解が大切だと

はい。今NEXT DELIVERYで取り組んでいる活動は、ドローンと既存物流を融合させた新スマート物流SkyHub(スカイハブ)を広めることです。その意味は、受け取り側のみなさんが、こうやってドローンで物が届くんだよ、という認識するところにあります。そこが我々の使命でもあると思っています。

ドローン物流通じて受け取り側の教育も

――NEXT DELIVERYでの取り組みとは

拠点を構える地域に配置している配送スタッフにドローン物流の教育をしています。スタッフはプロポを持ちません。でも機体の点検と荷物の積みこみはしています。機体の準備となると、今まではプロのパイロットの仕事でした。ドローンを飛ばせる人がやっていましたが、そこを、現地の陸送スタッフに、マニュアルに沿った機体の点検などをしてもらえるようにしています。これによりパイロット以外のアルバイトなどのスタッフもドローンに触れて理解できますし、パイロットは集中すべき業務に集中しやすくなります。そのパイロットが1人で複数機運航ができればさらに可能性が広がります。それにも取り組んでいます。一方で、無作為に飛ばすことは考えておりません。離陸から着陸までを運航ごとに「スロット」として管理することもできますし、われわれはその考え方で管理しています。

――専門家以外でもドローンに馴染みができる機会が増えますね

そうです。小菅村(山梨県)ではドローンで運ばれた荷物の受け取りを、受け取り場所の地区の代表者にお願いしています。

――未開拓事業としてのドローン物流で、必要なプロセスを段階的に構築されています

はい。ドローン物流が広がるためには受け取り側の教育や補助者の教育も不可欠だと考えています。補助者とは、我々がアシスタントと呼んでいる部分ですが、先ほどのアルバイトスタッフによる機体の点検、荷物の積み込み、それらの限られた時間の中での遂行などの仕組みを作っています。「スロット」の考え方があるので、「スロット」に割り当てながらやっています。

――「スロット」を言い換えると

時間単位での運航タスクのパッケージでしょうか。スロットの時間枠の中に、果たすべきタスクを割り当てる考え方です。これをもとにスケジュールも組めます。たとえば離陸のタイミングとして15分間隔でスロットを刻むといった考え方です。スロットを管理する中で、教育としてアシスタントの育成も進めますし、その次にプロポを持って操縦する訓練、ルート設計、申請などになります。ルートを作るには、その前提として知っておかねばならないことがあります。

――ルート作りに必要な考え方とは

教育の順番でルート設計より先に操縦を持ってきたのは意味があります。それは機体の特性を知っておく必要があるからです。この機体はこういう特性があるから、急激に降下するようなことに対応ができないとか、このスピードでこの降下はダメだっていうのは、プロポ操作で機体の特性も含めて、まずそこで学んでもらいます。なので、プロポの訓練が必要です。それをもとにルートを作成します。そして申請です。その後に、これからの主流のパイロットになるのですが、リモートパイロットの教育。更には、「開通」の部分の教育も必要です。一般にはなじみがないかもしれませんが、最初に飛ばすことを「開通」といいまして、ここにすごく神経を使います。その時には補助者もいますので、補助者も全体を管理して、見えるところに配置します。このフェーズでタスクをこなしてルートを作る教育をしていく形になります。

――これらの一連の流れでどんな困りごとを解決し、どんな願いを叶えますか

NEXT DELIVERYの観点で言えば、過疎地域ではラストワンマイルに悩む方、荷物が届かない所がいよいよ出始めるかなと思っています。過疎だと労働力が少ない。そこをドローンというツールで効率よく、なるべく即日届けられるようにしたいと思っています。届け先が近ければドローンは不要です。たとえば2㎞圏内だとか。それよりたとえば片道7㎞以上になるとドローンの利便性が高まります。

「夢を追い続ける勇気」を持つこと

――ドローンを扱う事業者の課題について考えることはありますか

現場での実経験がない人がドローンを教えていることが、運用する人材を育成するうえで問題だと思っています。資格を取得だけが目的というならそれもあるかもしれません。それでも、取得した資格の活かし方について現場経験がないとその部分を伝えられないことになる。経験者が教えることになれば状況もかわるかもしれません。自動車の教習所でも一定の現場経験をした方が引退後に教官として教えています。ドローンもそうなれば。でもドローンでは経験者がそのまま現役真っ只中です。

――青木さんにとって能登の活動を総括すると「大変だった」になりますか

18_7  輪島市医薬品配送イメージ

いいえ。大変だったとかそういうのではないです。気持ちとしては、困っている人のために、なにか自分の技術を使うという思いしかありませんでした。もう届けるしかないと思っていました。その意味では届けることが目的でしたので、ドローンを飛ばすことも目的ではありませんでした。ドローンを使うのが無理だなって思ったら、自分が足で運ぼうと思っていました。それしか考えていませんでした。

――青木さんの活動に感銘を覚える方が多くいます。アドバイスを送るとしたら

これからますますドローンを使った経験が必要な時代になります。その経験をもっと多くのみなさんに積んでもらいたいと思っています。ただ一方で私は現場をずっとやっている者として、根底では夢を追い続けています。夢を追い続ける勇気。それがなくなってしまうと目の前のことで終わってしまうじゃないですか。そうではなくて、ずっと自分が思い描いているこういう社会になってほしいという思い、夢を追い続ける勇気を持ちながら、目の前でドローンを使って現実を切り開いてほしいです。

――夢を追い続けることに、なぜ勇気が必要なのでしょう

途中でこれはできません、あれができませんとなって、追い続けることをあきらめることはあると思います。あきらめずに夢に向かって邁進するって、それをずっと言い続けるって、孤独になる。それでも持ち続けることが勇気です。私は誰かのために飛ばす、困っている人のために飛ばす、ということをドローンの事業を始めたときから一貫してずっと変わらず持っています。自分の中にイメージがありまして、ドローンが日常的に飛び交っていて、おじいちゃん、おばあちゃんの目の前にドローンで孫からプレゼントが届く。それは夢なんですが、それをずっと持ち続ける勇気。夢を持ち続ける勇気とはそういう所からです。それがあるからこそ、今はここまでしかできないけど、もっとこうしていく、これに近づけるためには、こうやってやらないといけない、こういう知識も必要だというのを、もっともっとみんなが感じて、それを繰り返し繰り返しやっていくと、ドローン前提社会にたどりつけるのだと思います。

――ありがとうございました

<インタビュー/村山繁>

青木 孝人(あおき たかひと)

サラリーマンとして航空機部品製造関連の営業職の経験を経て、2018年にドローンパイロットとして独立。WebCMや映画などエンタメ関連のドローン空撮や、航空測量(3D点群化)、橋梁や法面、外壁などインフラの点検など幅広い分野を手掛ける。

2021年からNEXT DELIVERYの小菅村でのドローン配送サービスの立ち上げに携わり、2023年2月、株式会社NEXT DELIVERYの運航統括責任者として役員に就任。ドローン物流のパイオニアとして、前人未踏の領域に挑戦し続ける。令和6年能登半島地震の被災地においては、JUIDAからの要請を受け、孤立地域にむけて医薬品配送を実施する中心メンバーとして活躍。チャレンジへの原動力は、“困っている人を助けたいという夢を持ち続ける事”と語り、ドローン業界の第一人者として多忙な日々を送る。